出版社:協和企画
滝沢琢己・手塚純一郎・長尾みづほ・吉原重美・監・日本小児アレルギー学会・作成
2023年11月18日 ISBN:9784877942304
わが国では、治療薬の開発と普及に伴って小児喘息の入院数や喘息死は減少しました。しかし、有病率は依然として高く、不十分な管理により容易に重症化してしまいます。本書の目的は、わが国における小児喘息の標準的な治療・管理方法を提示し、喘息児のQOL を改善させるために必要な情報を医療者に提供することです。前版である2020年版などを踏まえて、2023年版(JPGL2023)では次の点などを変更しました。 ・新たに2つのクリニカルクエスチョンを採用しました(「小児喘息患者の長期管理において、自宅のダニアレルゲン対策は有用か?」「乳幼児のウイルス感染による初回喘鳴の治療に、ステロイド薬は有用か?」)。 ・病態や疫学の最新の知見がわかるテキストブックとしての役割(第2章、第3章)と、実践的なガイドラインとしての役割(第4章以降)が区別できるように章立てを再編しました。 ・診療の場で参照されやすいように、喘息の急性増悪(発作)に関わる危険因子とその対策を第6章として別途記載しました。 ・添付文書の変更などを踏まえて、5歳以下の追加治療に吸入ステロイド薬/長時間作用性吸入β?刺激薬配合剤(ICS/LABA)を加えました。また、6~15歳においては、治療ステップ3と4でのICS/LABAの位置づけを変更しました。その他、生物学的製剤に関する記述も増やしました。 ・患者との共同意思決定(shared decision making)のプロセスの明示や、吸入補助具であるスペーサーに求められる要件や課題についての記載など、長期管理に関わる記述を増やしました。 ・用語を整備しました〔運動誘発気管支収縮(exercise- inducedbronchoconstriction, EIB)、誘発性喉頭閉塞症(inducible laryngealobstruction, ILO)〕。 9784877942304
第1章 JPGL2023の作成方法・CQ
第2章 定義、病態生理、診断、重症度分類
第3章 疫学、発症の危険因子と一次、二次予防
第4章 喘息の評価
第5章 長期管理
第6章 増悪の危険因子とその対策
第7章 患者とのパートナーシップ、吸入指導
第8章 急性増悪(発作)への対応
第9章 乳幼児期の特殊性とその対応
第10章 思春期・青年期喘息と移行期医療
第11章 喘息管理:種々の側面
第12章 JPGLの今後の課題