出版社:筑波大学出版会
佐藤晋爾・著
2024年12月24日 ISBN:9784904074848
「歴史上の人物に精神科診断をつけること」と誤解されやすい病誌(病跡学)は、本来は歴史上の人物の言動やその著作から精神疾患の可能性を検討することを出発点とし、その疾患とどのように向き合ったかを解き明かすことにあります。本書では、たとえばスピノザやゲーテ夫人などの病誌を通して、精神科面接のエッセンスを探る試みを行いました。病誌のもつ大きな可能性と、精神科面接のちょっとした工夫のヒントを本書から見つけてください。 9784904074848
第一章 此性 haecceitas と此的螺旋性 haeliceitas
第二章 人はどのように立ち直るのか アントン・フォン・ヴェーベルン
第三章 人はどのように立ち直るのか そのニ アルトゥール・オネゲル
第四章 人はどのように立ち直るのか その三 ジョー・ブスケ
第五章 人はどのように病を回避するのか 三代目澤村田之助
第六章 人はどのように病を回避するのか その2 クリスティアーネ・フォン・ゲーテ
第七章 面接で交わされる対話はどのようなものか モーリス・ブランショ『終わりなき対話』を読む
第八章 面接で交わされる対話では何をめざすか モーリス・ブランショ再読
第九章 治療機序としてのリズム ルイ=ルネ・デ・フォレ『おしゃべり』を読む
第十章 面接で治療者が行うこと スピノザ『神学・政治論』を読む
第十一章 症状の構造と治癒過程 バルザック『知られざる傑作』を読む
第十二章 精神科臨床の理論 ソフォクレス『オイディプス王』と『アンティゴネー』を読む
最終章